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大坂なおみにふさわしい優勝 [春秋庵-日々の消息を語る草庵-]

 一昨年まで大坂なおみを知らなかった人間がこんなことを語るのは口幅ったいのだが、彼女にとって素晴らしい優勝だ。

 もちろん、ひどい試合だった。どれだけ事情をさっぴいたとしても、セリーナ・ウィリアムスの振る舞いはグランドスラム大会の決勝にふさわしいとは言いがたい。そのことによって、初めてのビッグタイトルにケチがついたかっこうの大坂はかわいそうではあった。
 だが、である。彼女の強さは誰の目にも明らかだった。観衆にとってすら、「アメリカは常に強くなければならない」といういかにもアメリカ人らしいロジック以外にセリーナをサポートする理由がないほど、大坂は純真無垢にラケットを振って、グランドスラムタイトルを23度も手にした女王を振り回していた。
 そんな無垢な彼女が、無欠のタイトルを二十歳にして易々と手にするのはもったいない。セリーナの振る舞いは彼女の初グランドスラムに瑕瑾をつけたが、その瑕瑾こそが次のビッグタイトルへの渇望になるだろう。そんな「次」を期待させてあまりある強さだった。
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