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日本球児、世界に快勝! [Baseballdiary]

お彼岸の中日。ここ数日の疲れが祟り、強烈な胃痛に悩まされる。仕事を休ませてもらい、寝転がってネットを開いて朝鮮日報や中央日報に書かれた韓国の敗北への恨み辛みを肴に、WBCの決勝戦を見る。

しかしまあ、なんという会心の勝利。やっぱり勝つと気持ちいいなあ。松坂、渡辺、大塚がそれなりにミスをしつつ、それなりに押さえつつ、その総合的な力量がキューバをこの試合では上回った。ポイントとすれば7回裏だろう。緊張のあまり川崎のグラブがボールをファンブルし、渡辺のベースカバーが遅れ、ダブルエラーがあったにもかかわらず無失点で切り抜けた。この試合、それ以外のミスがすべて両チームとも点につながっていることを思えば、ここを切り抜けていたのは大きかった。

さらに投手陣の踏ん張り。一度もキューバに同点に並ばれることがなかったのが最後まで大きい。9回、1点リードしかなかったという言い方もできるが、1点のリードがあればこそ、イチローのヒットで川崎がホームへ突っ込める。モメンタムを一度も失わなかった、その踏ん張りが勝利を呼び込んだ。好プレーもミス同様随所にあり、見ていて飽きない試合だった。ニュースで見る各地の反応はどう見てもトリノオリンピック以上で、日本人は野球が本当に好きなんだなと実感。

この大会、日本野球の「気持ちよさ」が目立った。戦略的には「スモール・ベースボール」と呼ばれるものだが、それだけではない。松坂が速い球を投げる、松中が鮮やかに打つ、イチローが打ったら走る、川崎が次の塁をとる、というプレーひとつひとつにシンプルな喜びがあふれていた。この喜びを大言壮語型ビジネスと化していた日本野球界に甦らせてくれたのは間違いなくイチローであるが、そのイチローがチームを引っ張った。

日本野球のある種の異端児であるイチローと、外国人でありながらもっとも日本的な野球を身体で知り尽くしつつ世界の頂点に上り詰めた王監督の、この二人の独特の意思の疎通には感じ入るものがある。境界線にいる人間だけが、本質を見極められるのだろう。そしてその見極めがこのチームに不思議な一体感をもたらした。他チームとはちょっと違う、良質なものである。

確かにイチローも王さんも、戦意むき出しに戦った。しかしそれは野球をするという喜びを回路としてのものだ。他国の土に祖先祭礼のごとく旗を立てたり、ベンチに変えるイチローを転ばそうとしたのかどうかわからないがわざと足下にボールを転がしたりする韓国のような粗雑なナショナリズムでもなく、「誤審」も含めたアメリカのような金銭と利得にまみれた姿勢でもなく、きちんと正しく、この球技を日本チームはこなした。

初大会だったのでいろいろと面白いこともあった。まず、短期決戦といいながら二週間以上の長丁場だった。たとえば、サッカーのワールドカップなら、有力チームは最初のリーグ戦をそこそこの力で戦い、決勝トーナメントへ向けて調子を上げていくというチーム運営をする。今後は野球にもそれが必要になるだろう。韓国は実にいいゲームを重ねたが最初から飛ばしすぎて最後に力尽きた。キューバは、アメリカが自らのために仕組んだ不幸な組み合わせのせいで、ベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカを潰すために相当の力を使い果たさなければならなかった。日本戦の投手陣の不調はそのツケといっていい。

もともと、アメリカ対ドミニカという、主催者の収入にとっては至福のシナリオを実現させるために、アメリカにとって非常に楽に作られた組み合わせ。ところがアメリカの認識があまりにも甘くてあっさり敗退し、そこに日本が乗っかったのは事実だろう。だが日本もチームとして万全ではなかった。監督はチーム編成に相当苦労している。松井がいない、井口が辞退。国内組で云えば、リリーフの岩瀬がいなかったのは編成上大きかった。それでも、その名に恥じないプレーをしたことは間違いない。

日本プロ野球を作ったといっていい正力元巨人軍オーナーの「アメリカに追いつけ追い越せ」がひとつ、実を結んだ。野球ファンなら、このことを涙なしに語れようか。

※そういうわけで、ブログでもBaseballdiaryを作ります。今日から。


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